Portalで火の海に落とされそうになったとき久しぶりにゲームの主人公と一体化した気がした

2014/02/16


タイトルの時点でそうですが以下完全なネタバレです。

PortalのChumber19で動くパネルにのって最後の角を曲がったとき、「おめでとうございます!テストは終了しました。」といったGLaDOSのアナウンスと共に目の前に火の海が広がった。

ゲーム開始直後に比べてGLaDOSのアナウンスはおかしくなっていたし、簡単なものと言って始まった実験は後半になると失敗すれば命を失うものばかりだし、途中で他の被験者のメモも見て危険な雰囲気は十分に出ていたのでついに来たかという思いだった。

パネルが火の海に向かう中、焦りながら必死に辺りを見回し、それまで覚えたポータルガンのテクニックを駆使して火の海を回避し、物語の本当の後半戦に進むことができた。

あの火の海を前にしたとき、僕は久々にゲームの主人公と一体化したように思った。自分に似せたアバターをつくったわけでもないのに何故そう思えたのか。たぶん、主人公と自分の体験してきたことが全く同じだったからだと思う。

ゲーム開始時、主人公は過去の記憶を失った状態で無機質な部屋のベッドで起き、ゲームを始めた僕も何の知識もないままその部屋に放り込まれた。始まりの部屋を出ると、ポータルガンを手に入れながらGLaDOSの指示に従ってテストをこなしていくことになるけれど、それは実験の被験者である主人公にとってのテスト(チュートリアル)であると共に、プレイヤーの僕にとってのゲームのチュートリアルでもあった。その間も、主人公は失われた記憶を思い出す訳でもなく、意思を持って話すこともなかったので、僕と主人公の記憶や体験したことは全て等しかった。

FFに比べてドラクエの主人公はプレイヤーに近いというけれど、それでもゲームを始めた時点で主人公はある程度成長していて僕の知らない過去を経験しているから、一歩引いた視点で"操作"することになる。でもPortalでは一歩も引かずに同じ視点でゲームを体験できた。あの火の海を目の前に僕は焦った。あの焦りは主人公が死んでしまうという焦りではなく、自分の身が危ないという焦りだったように思う。


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