僕のFF11初期の思い出(長文)

2015/03/30


FF11は僕にとって初めてのMMOだった。運営がどうとか戦闘バランスがどうとか、いろいろ言われていたけれど、それ以上にのめり込んでプレイし、10年以上たった今でもプレイして良かったと思っている。これは、サービス開始から1年ちょいの期間、廃人というほどやり混んでもいない一般プレイヤーの思い出です。順番とか滅茶苦茶だけどご了承ください。

オープニングムービー

FF11のオープニングは動画で何度も見返した。おなじみのテーマをバックに輝くクリスタルと英語のナレーション。連合軍の行進がかっこよかったし、オークの軍勢は恐ろしかった。少し前に流行ったロードオブザリング(映画)を連想させた。これからこの世界で冒険をするという期待感が高まる、最高のオープニングムービーだった。

キャラとジョブと国

ゲームを買う前からタルタルの白魔をやることを決めていた。何かに特化したキャラが使いたかったのと、回復魔法で他人に干渉できることに興味があったのがその理由。一方で国はサンドリアにした。エルヴァーンの国だから前衛を選ぶ人が多くて、白タルの需要が多いと思ったので。

発売日のプレイオンライン

2002年5月16日。サービス開始の当日は大混雑でログインできなかった。ログインできたのは翌日の夜だった気がする。ヴァナディールマーチを聞きながら、はやる気持ちをおさえていた。

ログイン・はじまり

なんとかログインをした後に降り立ったヴァナディールの世界。MMOどころかMOすらやったことのないオンラインゲーム初心者の僕には全てが新鮮だった。目の前を通り過ぎるキャラクターは誰かが操作している。隅までまわれば数時間かかるであろう巨大な一つの街。外に出ればうろつくモンスターとこれまた広大なマップ。その広いマップの端までいっても新しい土地に繋がっている。期待に胸が膨らんだ。

ロンフォール

初めて街の外に出たときはゲーム内の時間で夜だった。所々にかがり火のある薄暗い森、そして流れるロンフォールの曲はとても良い雰囲気だった。ウサギを狩る人を見ていると、エルヴァーンだったかヒュームだったかの人に声をかけられた。PTを組むわけではなく、「こんにちはー」とか「今ようやくログインできました」とかそんな会話だったと思う。オンラインゲームってこういうことかと、またわくわくした。

オーク

ロンフォールではとにかくオークが怖かった。始めたばかりの白魔では勝ち目がないので、遠くに姿が見えたときは引き返したし、こちらが発見されたときのグォッという声と追いかけてくるオークが恐ろしかった。

街まで逃げてくる僕のような人のせいで、本来安全なはずの街の出口にオークがたむろっていて、街を出た瞬間に襲われることも多かった。そんなとき、どこからかレベルの高い人が現れてオークに立ち向かった。戦いが厳しそうなときは周りの人がケアルをかけ、見事倒せたときは皆で喜んだりした。

パーティー

それが初めてのパーティーだったかの記憶は定かではないけれど、初めの頃に組んだパーティーでゲルスバ野営陣にいったことは覚えている。

ロンフォールで組んだ3人PTの1人の提案で野営陣へいった。怖かったオークも3人でかかれば余裕で倒せて楽しかったけれど、ダンジョンを奥に進んでいくうちちワンランク上のオークが現れた。結局、挑戦してみた結果惨敗した。けれど、あの強い敵のいるダンジョンの奥には何があるんだろうと、また一つ楽しみが増えた。

ラテーヌ高原

長い時間をかけてロンフォールでレベルをあげ、なんとか1人でマップの端まで行けるようになり、ラテーヌ高原へ進んだ。

木が生い茂るロンフォールと違い、空の見える高原の景色が新鮮だったけれど、もっと驚いたのは敵の強さだった。ロンフォールの敵は一体一なら負けない程度に強くなったと思っていたのに、そんな自分に"とてつよ"な敵が徘徊している。そして相変わらずマップは広く、更なる土地もある。改めてオンラインゲームの広大さを感じた。

ラテーヌといえば巨大羊NM。近づくと地響きで画面が揺れ、圧倒的な強さに恐怖した。何回目かにラテーヌに訪れたときミスラの戦士が一体一で倒しているのを見て、レベルが上がればこんな敵でも倒せるようになるのかと、さらにオンラインゲームの深さを感じた。

LS

ゲームを始めてから辞めるまで、僕は一つのLSに入っていた。ラテーヌで戦っている2人組にケアルをかけたのがきっかけでパーティーを組み、解散するときにその1人(リーダー)から貰った。他のLSに入ったことがないから比較はできないけど、このLSで良かったと思っている。

リーダー、戦ヒュムの2人の他に黒タル、白ヒュム、そして僕の5人が初期のメンバーだった。初めはみんなレベルが近かったから一緒にパーティーを組むこともあったけれど、だんだん差がついてきたのでLSの人と組むことはほぼ無くなった。

一緒に進めようという変な縛りがなかったのも良くて、LSメンバーとの交流は会話をしたりイベントのときに一緒に活動するくらいだった。ほとんどが社会人ということもあって、ガツガツする人もいなく、メンバー間のいざこざもなく、平和な、いわゆる"まったり"系のLSだった。

セルビナ

サンドリアを離れて初めての拠点となったセルビナ。バルクルム砂丘の白い綺麗さと南国風の音楽が気に入った。

そして、セルビナから本格的な6人パーティーを組むことが多くなる。街の入り口にはリザード装備をしたワンランク上の人たちもたむろしていて、頻繁にパーティーの誘いを受けるようにもなる。

ホームポイントをセルビナの街に設定し、いよいよサンドリアを離れた"冒険者"になる。そんな感じもした。

バルクルム砂丘とサポジョブ

入り口のゴブリンに始まり、トカゲ、トンボ、骨、カニ、魚と、レベルに合わせた敵が沢山いて、広いマップを動きながら獲物を倒すという楽しい狩場だった。

そして、セルビナと言えばサポジョブ。レベルが15を超えた当たりから意識しはじめ、カニとトンボと骨のドロップを狙った。当時は骨の沸き方を知らなかったので、集合場所を決めて6人全員が散り散りになって骨を探しに行き、白の自分がディアで釣ったりもした。「骨釣った!戻って戻って」と言いながら追いかけてくる骨から必死で逃げたりもした。

サレコウベは運良く手に入ったので、最後に残ったのはトンボだったけれど、サポジョブの取れたLSの人に来てもらってあっさり取れた。

マウラと他国

セルビナでレベル上げをする途中、船に乗ってマウラにも行った。

船に乗るときは、後に倒せるようになるまでは、甲板のタコにやられるのが怖くて船底の部屋で大人しく着くのを待っていた。

マウラに初めてついたとき、ゲームの中の時間は夜だった。町の外に出るとブブリム半島の景色が広がり、夜の空が綺麗だった記憶がある。黒タルのPTが魔法をガンガン打ちながらボギーを倒していた。

ボギーといえばバルクルム砂丘最強の敵で、レベル上げしているPTで勝つことは難しかったので驚いた。(後に知るけれど、実はブブリムのボギーのほうがレベルが低い)

マウラにきてもうひとつ新鮮だったことは、他国のプレイヤーがたくさんいたことだった。立地的に、セルビナに集まるのはサンドリア出身者が大半だったので、メニューに他国の国旗が表示されることも少なかったし、タルタルにこんなに出会うことも少なかった。

サポジョブ

サポジョブクエストを終えた後は意気揚々とサンドリアに戻って黒魔のレベルをあげた。黒のソロは白と違って短期決戦。魔法を連打して一瞬で終わる戦闘が新鮮だった。

パーティーでの立ち回りも割と自由で、ヘイトを稼がないように魔法を連打していれば良かったので気が楽だった。相変わらず魔導師は人気なので、レベルは簡単に上げられた。

白様

初期の白魔道士は本当に人気だった。パーティーを組むのが当たり前になってきたセルビナ以降は、ステータスを表示していたら声かけ当たり前。隠していても装備からレベルを聞かれて勧誘もされるほどだった。

ケアル2を覚えられるレベルになって街に帰って買いに行こうとしたときも誘われて、ケアル2無いんですと断ったらそれでも良いから入ってくれと言われたこともあった。

金策しているときも誘いがあり、今からいくと30分は待たせると断ってもそれでも良いと言われる程だった。

白魔の面白さ

サポジョブ用の黒、ナイト、シーフ、戦士などを30くらいまでつまんでみたけれど、結局白魔が一番楽しかった。

初期はプレイの幅が狭かったこともあって、白魔が効率良くMPを使うことがパーティーの効率にかなり影響を与えたと思っている)。座るタイミングやジュースでの補強、プロシェルや敵のポップをタイマー設定で把握など、細かいことを書くときりが無い。

白として好きな敵

そんなこともあって、骨戦は好きだった。暗闇、範囲、単体大ダメージの特殊攻撃・魔法への対処を考えたり、余裕があるときはケアルでの攻撃をしたり、やることが多くて自己満足も強かった。

PT内の前衛が「闇」って言うのがウザいって話があったけど、むしろガンガン言ってくれと言っていた。

ジュノへ

サポジョブの黒もそこそこ上がり、セルビナでの白としての狩りも限界になってくると次なる狩場はついにジュノ。1人で向かうことにしたのでシーフLv1に変更してジュノを目指す旅を始めた。

サンドリアから目指すときの壁はジャグナー森林。視界が悪く道も狭く絡んでくる敵も多い。そもそもレベル上げで訪れたこともない未知の場所。ここで三度はやられた。やられるとラテーヌのホームポイントから再開することになるのでかなり面倒だった記憶がある。虎を見ながら心臓バクバクで通り過ぎ、四度目の挑戦でなんとかジャグナー最後のホームポイントに辿り着いた。ジャグナーを抜けたバタリアは開けた土地なので拍子抜けするくらいあっさりと抜けることができた。そうしてジュノへ辿り着いた。

ジュノ到着

セルビナの街でもたむろする人を見て冒険者の気分を味わったけれど、ジュノで再びその気持ちになった。

三国から集まった冒険者であふれ、競売前にも人だかり。装備もバザーの品も見たことのないものばかり。PT募集のシャウトも盛んで、活気にあふれていた。そしてここから、良くも悪くも長いジュノ生活が始まった。

タルタルズ

シルフ鯖にもタルタルだけのLS「タルタルズ」が存在していて、僕も入っていた。きっかけはバタリアでの釣りだった。

ジュノにホームポイントを設定した僕は、まずバタリアで釣りを始めた。当時の釣りは調整が入る前で、まったくスキルが上がらない酷いものだったけど、かわりに低スキルでもバタリアでミスリルソードを釣ることができた。

レベル1のジョブに着替えてバタリアで釣りをしていると2人のタルタルがきて、3人で会話をしながら釣りを始めた。その2人がタルタルズのリーダーとサブリーダーで、解散するときにLSをもらった。

タルタルズのイベントにはレベル1でジュノを目指すマラソンに一度参加した。大量のタルタルが連なって移動し、モンスターに襲われて次々離脱していく光景は面白かった。

好きな狩場

クフィムでの狩りは好きだった。ジュノから直結したアクセスの良さ、狩場が枯れない敵の豊富さ、レベルに合わせた敵の変更が容易なことが便利だったし、広々とした白い雪?の世界も好きだった。

どの敵もソロで倒せるレベルになって何もすることがないときはよくクフィムをうろついていて、意図しない敵に絡まれるPTの一匹を処理したりしていた。

もう一つの好きな狩場

クフィムと逆の意味で好きだったのはガルレージュ要塞地下。入り口のコウモリではなく地下の狭い通路で骨を狩るあそこは緊張感があった。

まず狩場までの移動にスニーク。切れて動けば死ぬし、スニークにボムが反応したら死ぬ。

たどり着いた細い通路の狩場は3PTが丁度。他のPTはライバルなんだけど、1PTだけになると敵が多くて危険という不思議な関係性も良かった。狭い通路で骨を相手にするから他PTの骨の範囲攻撃喰らうのは日常茶飯事。後衛はMP回復の位置も気にする必要があった。

狩る相手は骨だけど、そのレベルでは勝てないボムやゴーストが周りにいて反応されたら終わり。下手に通路に連れてくると3PTが壊滅するので、釣りに失敗したらなるべく遠くで1人で死ぬのが鉄則。他のPTが連れてきたら欲張らずテレポを唱えるのも白の役目だった。

たいして経験値が良いわけでもなく気が休まることのない狩場だったけれど、たまに行くときは燃えた。

シルフ鯖の台湾勢

PTと言えば、シルフ鯖には稼働初期から台湾人の一大勢力がいた。日本でしか発売していなかったはずなのにどうやったかわからないけど、とにかく大勢いたのでパーティーを組めば結構な確率で一緒になった。

カタコトの日本語や顔文字で会話をするのでヒューム男だと凄く間抜けに見えるんだけど、タルタルが「ありかとー^_^」と言うのは可愛くて好きだった。

ソロが不可能な問題

個人的に、このゲームの最大の不満はソロが実質不可能なことだった。レベルが一桁の頃の、みんながソロで戦っている中でピンチの人にケアルをかけたりして、それがきっかけでパーティーを組んで少し奥の強い敵を倒しにいくとか、そんな世界を望んでいた。でもそれはレベル30が限界だった。

例えば、レベル50の白で誰も来ないバタリアの古墳入り口で骨を狩ったことがあるけれど、回復時間いれて一時間に4匹程度しか狩れないのに一匹の経験値は50〜70だった。

広いフィールドにたくさんの敵がいるのに、一部の狩場の敵だけど戦っているのはもったいない。

ソロが不可能な問題の問題

ソロが不可能なのでPTを組むしかないんだけど、PTを組むのに時間がかかる。

ジュノで募集かけ始めて上手く集まって15分。支度を待ってチョコボに乗るまで30分。狩場に着くのに15分。ここから最低1時間狩りするとしても合計2時間弱。しかも一人抜けて5人になるとキツい狩場もあったので、誰か抜けた時点で解散ということもあった。

6人全員が最低これから2時間はゲームができる余裕がない時はレベル上げが出来ない。といっても過言ではなかったし、30分で抜けると言ったら白い目で見られるような世界だった。いつでも補充がきくセルビナやクフィムくらいのノリでずっとできればまだ良かった。

リーダー白様

放っておいても誘いのくる"白様"だったけれど自分でリーダーをすることもあった。自分がリーダーのときに良くしたのは「とてつよ狩り」だった。

経験値200のとてとてを狙う狩りではなく、つよ〜とてつよを大量に狩る方法。あるとき誘われて入ったPTがそうしていて、面白かったので自分でもやっていた。

後衛大人気の時代、その狩り方でPTを組むとき一番重要で困難なのは白を1人捕まえることだったけれど、それが自分なので楽だった。ある意味、白リーダーにしかできないPTだったかもしれない。

「自分白Lv○○、パーティー募集中。ジョブサポジョブ何でもOK」でシャウト。モシシシシ白といった時もあった。サポジョブ何でも良いと伝えるとモ/赤で"魔法拳"をやるガルカの人もいた。

狩場は、例えばダボイの奥の誰もこないような場所。そこに陣取ってまわりのつよ〜とてつよを手当たり次第に釣ってくる。一匹目が終わる前に2匹目を釣ってくるので、一度に2,3匹を相手にすることもザラにあった。回復はなるべく一括でケアルガ。白がMP回復中は何でも良いから釣って叩いてゲージ稼ぎ。とにかく全員が動きっぱなしで普段の狩りとは違うところが面白く、経験値も通常PTの8,9割は稼げた。(あと、数多く倒すので素材がよく手に入る)なにより、また誘ってくれと言われるのが嬉しかった。

金策

レベル上げと同じくらい大事なのがお金だけど、合成をまともにやっていなかった僕は金策に困っていた。白魔は敵を倒す速度も遅いので素材集めの効率が悪いし、素材集めは同じことをやる人がいると効率が落ちてギスギスするのも嫌だった。

なので、他の人があまりいなくて白にしかできない金策をやろうと思い、採掘、鉱石、骨、採集といったことをメインの金策にしていた。テレポとデジョンで行動範囲が広く、スニークがあれば高レベルのモンスターのいる場所にも入れる。良い素材が採れたときのギャンブル感も面白かった。ただ、時給は15000くらいだったので、最後まで金策には苦労した。

はじめの終わり

2002年の5月にFF11を始めて、その年の冬にキャラクターを削除してやめた。当時高校2年だったので翌年の受験のためには続けてはいけないと思ってのことだった。

LSの人に辞めることと事情を伝え、もう経験値下がっても良いやってことで、インビジスニークで行ったことのない場所を見て回った。

本当の終わり

実は、やめた後に一回復帰をした。受験が無事に終わった後、同じシルフ鯖で新規でやり直した。LSにもまた入れてもらい、早いペースで元のレベルまで育てられた。

それはそれで面白かったんだけど、初めてプレイしていた頃の驚きや興奮はだいぶ薄まっているのを感じていて、日に日にログインをしなくなって結局一年たたずにやめた。これが僕のFF11の本当の最後だった。

音楽

最後に音楽の話。FF11の音楽は本当に名曲揃いだった。

VoyagerやAirshipを聴くと旅をしているような気分になる。サンドリア出身だけどGustaberg、The Republic of Bastok、The Federation of Windurst、Sarutabarutaも大好きだった。

Longfallを聴くと初めてログインした夜のロンフォールを思い出し、Vana’diel Marchを聴くと、毎日のゲームを始める前の高揚感を思い出す。そして、何度も聴いていたMog Houseは、やめる最後の日を思い出して少ししんみりする。10年以上経つ今でもサントラを聴きながらそんな思い出に浸ることがある。

初めてMMOをプレイしたときの、世界が無限に広がるかのように思えたあのワクワク感は、一度知ってしまった後は二度と味わえない貴重な体験だった。「費やした時間を他のことに使えば…」とよく言うけれど、FF11は今でもプレイして良かったゲームだと思っている。

最後に、シルフ鯖での名前は tasukete でした。出会った全ての皆さんありがとうございました。


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