3Dアクションゲームはデビルメイクライに始まりベヨネッタで完成した

2014/10/06


2001年、デビルメイクライ(DMC)の登場は衝撃だった。当時、"戦うバイオ"と銘打って宣伝されていた記憶があるけれど、バイオとも違ったしそれまでの3Dアクションゲームとも違った。綺麗なグラフィク、無制限に使える銃、スピード感のある攻撃とコンボ、主人公ダンテのキャラクター等、特徴的な部分は無数にあたけれど、一番は回避の爽快感だった。

アクションゲームの面白さはタイミングよく行動をすることにあり、大きくは攻撃と防御に分かれる。タイミング良い攻撃とは、文字通り「敵への攻撃」。マリオの踏みつけ、ロックマンのバスター、ドラキュラの鞭。敵を狙った攻撃でダメージを与えることはゲームをクリアする上で必要であり、上手く攻撃を当てることは当然アクションの面白さになる。もう一方の防御は、敵からの攻撃を避けること。ファミコン後期からスーパーファミコンのアクションゲームになると、いわゆるゴリ押しは通用しなくなり、攻撃を当てること以上に避けることが重要になってきて、上手く避けることはアクションゲームの面白さの一部になった。

アクションゲームが2Dから3Dになったとき、この避ける行為にカメラの問題が生まれた。カメラが自由に動かせる場合、背後にいる敵からの攻撃を見るにはカメラを自分で向けなければいけない。その解決策がロックオンだった。時のオカリナのZ注目も使いやすいと絶賛された。デビルメイクライはこのロックオンに側転による回避を上手く取り入れた。ロックオン状態で横+ジャンプボタンで素早く回避。これによって戦闘のスピード感は増した。距離を取ったりジャンプしたりして避けることと違い、敵から距離的に離れない側転回避は攻撃と防御をスムーズに入れ替えることができる。斬る>斬る>斬る>側転>斬る>斬る>斬る、という流れるような攻防が生まれる。デビルメイクライがスタイリッシュアクションと呼ばれたのは要因にはこの側転回避のスピード感があったように思う。

ただ、側転回避には、横キー+ジャンプボタンという操作上の欠点があった。正面からの攻撃に対して横を押したつもりが、敵キャラが移動したために横ではなくなり、側転ではなく真上のジャンプが出てしまうことがあった。その操作も含めてゲームなのかもしれないけれど、意図していない動作が出てしまうことはストレスだった。

そして2009年に発売されたベヨネッタでその問題は解決した。ベヨネッタの避けコマンドは1ボタン。攻撃してくる敵の位置は関係なく、タイミングさえ合わせれば避けることができるのでコマンドミスによるストレスは無くなった。さらに言うと、避けは全ての行動をキャンセルして出すことができるので、「危ないと思って避けようとしたけれど自分のキャラが攻撃モーションに入っていたので避けられなかった」ということも無くなった。

ベヨネッタの避けについてもう1つだけ言いたいのは、攻撃を避けて発動するウィッチタイム。時間が遅くなり攻撃し放題になるので、避けることがそのまま攻撃にも繋がる。これはアクションゲームの面白さである「タイミングよく攻撃と防御を行うこと」を1つにし、3Dアクションに1つの答えを出したように思う。両作品を手がけた神谷英樹氏は凄い。


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