8%の逸材?黄色の濃さを見分ける色覚テストの嘘と罠

2019/09/02


少し前にTwitterとかFacebookで流行っていた黄色の濃さを見分けるテスト。上のような画像がサムネイルになっていて、サイトに飛ぶと10問ほどの2択のテストがあり、最後に結果が出る。

はじめはただの能力試しのテストだと思っていたけれど、妙なことに気づいた。流れてくる結果が全て「8%の逸材に入れた!」というものだった。Twitterで検索をかけても8%以外の結果はほぼ無かった。目測で9割は8%だった。

もちろん、結果が良かったから人ほどシェアする確率が高いということもあるだろう。でも、8%以上の成績が無いし、20%くらいでも「まあまあ良かった!」とシェアする人がいてもおかしくない。どう考えても8%への偏りがありすぎた。

そこで、このサイトはPVによる広告収入のために嘘のテストをしているという仮説を立て、サイトに行き、10問ほどの2択に対して①本気でやる②全て左を選択する③明らかに分かる問題をあえて逆を選ぶ、と3度チャレンジした。結果、①②が8%の逸材。③は値は忘れたが悪い結果になった。②が8%になった時点で、僕はこのサイトとテストを以下のように認識した。

・この黄色のテストは広告収入を目的としている嘘のテストであり、SNS上でバズってPVを増やすために以下のようなことを狙っている。

・サムネイルは明らかに答えが分かるもので、自分でもできそうに思わせ、参入ハードルを下げる。

・テストの結果が良いとシェアしたくなる心理をついて、回答がどうであろうとほとんどが8%の逸材という結果になるようになっている。かならず8%だと怪しいので、設問の中でも「確実に分かる問題を間違えたら悪い結果。それ以外はどう答えても8%」のようにしているのではないか。そうすることで、結果的に真面目にやろうとすればほぼ8%に入れる。

・ここのズルいうまさは、色の濃さの判定という、自分で正解がわからないテストにしていること。正解できなかったことが分かるテストでは最後に8%の逸材と言われてもおかしいと思うが、どちらも正解がありえる2択なら神頼みで決めた選択肢を含めて受け入れてもらえる。多分、問題のいくつかは、全く同じ黄色を2択にしていると思う。

・逆に全て同じ黄色の問題だと高難易度すぎて出来た感が少ないので、あえて簡単な問題を途中に置いて確実な正解の体験もさせる。

・最後の結果が「正解率n%」ではなく「8%の逸材」という全体の中での順位を示しているため、どんな正解率にも対応できる。

以上。PV稼ぎとはいえ、人の心理を突いた考え方の理屈はうまくできている。誰も傷つけないのも敵ながらあっぱれ。敵ではないけど。


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