読書メモ『自分に語りかける時も敬語で』(秋田道夫)
2023/03/28
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相手の言葉を聞いちゃだめ。しゃべることが苦手な人も大勢いる。そういう人は考えていることと違うことを言ったりする。言葉に囚われることなく、心の中にある本当を読み取るようにしなければ。
- 人生思ったようにはならない。「なったこと」を「なりたかったこと」に置き換えるのも悪くない。「過去はこれから作るのです。」
- おおむねのことは否定しない。感性の扉を閉めないため。
- まず理想系をつくる。素晴らしい未来の共通認識を持つため。それと現実を比較して差を1つ1つ丁寧に検証する。それがデザインの進め方。
- 大事なことは「わたしでなくてもできることを わたしは分かってしている」ということ。誰でもできる仕事の中でわたしは育まれてきた。
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デザインの勉強をすると世の中全てデザインでできているように思える。が、視野を外に向けるとデザインのない世界が広がっている。「デザインはいらない」という意見も多くあることを知っておかなければいけない。そこにおいて足らないものは、デザイン知識ではなく、デザインがいらないと思っている人とのコミュニケーション。デザインを学んでいるとデザイン的でないものに対して寛容ではなくなる。一番怖いのはそうして自分の住む世界を狭めること。デザインを学ぶことの真髄は、なんでもないものに美を感じ、法則性を発見すること。身の回りにあるものに幸せを感じること。
- 大切なのは今持っているモノで仕事をすること。新しいことに興味を持っても「持ってたらもっと良いのに」と思って今の仕事をしないこと。
- 「機能を増やすには技術がいるが、機能を減らすには哲学がいる」
- 優れた製品をデザインするには多くの人と意見を交わし、意見を聞き考え、かたちに反映する。つまり「人の気持ちがわかっていないとできない仕事」
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清潔な服装、大きさに関係なく約束を守る、遅刻しない、挨拶をする。そういう当たり前の日々の行動が周りの人たちの気持ちを動かす。「デザインの良し悪しはわからないけど信頼できるあの人が言うなら協力しよう」。そういう気持ちの積み重ねで大きな仕事を動かしている。
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この話は「何を言ったかではなく誰が言ったか」みたいな話でもある。理想的には何を言ったかのみの判断をすべきだとは思うが、現実的には誰が言ったかも重要。特に仕事においては信頼貯金も大事。なので、こういった誠実な行動を心がけるというのは大事だよなぁ。
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ある建築家が、ある建築家を「いずれ世代を担う建築家になる」と言った時の理由が「あの人は文章がかけるから」。造形が良いとか時代にあっているではなく、「文章が書ける」ことが大きな意味を持つと言った。(この本の筆者もブログを早い段階で書いている)
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ウメハラが自分と他の格ゲープレイヤーとの違いは言葉だと言っていた話を思い出す。ただ、デザイナーにおける言語化能力は説明やコミュニケーションに役立つもので、ゲームプレイヤーにおける言語化能力は練習の質向上や再現性といったことに役立つもので、前者は仕事に対して間接的、後者は仕事に対して直接的な効果という違いはあるかもしれないと思った。
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