3DSの電源ボタンが抱える問題

2011/11/01


3DSの値下げ。3DSの発売後の売れ行きが良くなかった要因は様々あると思いますが、ゲーム機本体に見える問題からもその不調がうかがえます。

例えば十時キーとスティックの配置。無理矢理いれたような配置で事実操作性も良くありません。既存のDSにスティックを入れるとこうなってしまうのでしょうが、両方を快適に使わせるのなら本体の形を大きく変える必要があったと思います。

他にもスタート・セレクト・ホームの3つのボタン。前者2つと後者は、ゲームの中と外で使うという機能的な違いがあるにも関わらず、同じ形状をして近くに配置されています。また、ゲームの中で使うにしてはスタート・セレクトが押しにいことも気になります。

そして、1番の問題は電源ボタンにあります。


まずはその形。上に書いたように、その機能を使う時がゲームの中(ゲームのプレイ中)か外(ゲームの起動やメニュー)かによって形状を分ける必要があります。ゲームの中で使うものは"押すボタン"。であれば電源は別の形、例えばLiteのようなスライドの形が好ましい。しかし、3DSでは"押すボタン"の形。 次にその位置。誤って触れないよう、ゲームの中で使うボタンとは離れた位置に配置して欲しいけれど、最も指が動く画面右のエリアに置かれています。さらに、それは1つ前に出たハード(DS LL)でスタートボタンの置かれていた位置。 最後はその動作。電源ボタンを押すとその瞬間にゲームが終わってしまいます。「本当にやめますか?」というワンクッションがありません。

これら3つの要素が重なることで、誤って電源ボタンを押してそれまでの進行が消えてしまう事が多々起きます。実際自分にも家族にも起きました。


この電源ボタンの一番の問題は、上に書いたような"誤作動が起きやすいこと"ではなく、その問題が"初めてではない"ということです。

誤作動の問題は初代DSにもありました。電源ボタンが右上にあるせいで誤って押してしまうことがあります。それがあってか、Liteでは本体側面のスライド式になりました。その後、iやLLでボタン型に戻りましたが、それは十時キー側の普段指が移動しない位置にあったので大きな問題ではありませんでした。

しかし、3DSでは最も指の動きが激しい右側に配置され再び誤作動問題が起きました。設計の担当者が代わってしまったのか、分かりつつも発売しなければならない事情があったのか。内情までは分かりませんが、2度目の失敗ということを含めて、これまでの任天堂のモノ作りから離れてしまったように思えます。

値下げやVCによって3DSが普及していけば喜ばしいけれど、1つの工業製品として触って楽しい3DSもまた見てみたかったです。


Topページへ戻る