今更ながら2021年末の獣道4のテトリスが本当に熱かった話

2023/05/25


獣道という企画については以下の記事を参照。一言で言えば「因縁の2人のガチ勝負企画」です。

また、前提として、自分はテトリス界隈については何も知りません。「あめみやたいよう」というプレイヤー自体は獣道の前から知っていた。というレベルです。なので、この記事に書くことは史実でもなくテトリス界隈の詳しいネタでもありません。獣道という企画の中でエンタメとして誇張した部分があった場合、その誇張をそのまま受け取っています。普段サッカーを見ていないけどW杯の日本代表の活躍を見てちょっと選手のこととか調べたおっさんが興奮気味に良さを語っているようなものなのでそこについてご了承ください。

ということで本文に。 テトリス界にはTop3とよばれる3人がいて、今回対戦したのはその中の2人。1人はテトリス界に古くからいて神と呼ばれているあめみやたいよう選手。もう一人が若手のkazu選手。kazu選手はあめみや選手を子供の頃に見て憧れていた、という関係性。

ではなぜこの2人が獣道で戦う「因縁の2人」なのか。これは、神と呼ばれているあめみや選手の当時の行動に起因する。あめみや選手は”テトリス神”という肩書きを持ちながら、実力者とのガチ対戦をあまりやらず、格下相手での連勝企画などでYoutuberとして人気を得ていた。そんな中、若手のkazu選手はガチ対戦で実力を上げており、テトリス界隈では「あめみや選手はすでにTop3の中で残り2人に実力で劣っているのに、ガチ対戦をしてそれがはっきりすると神と呼ばれなくなるから逃げている」というような批判的な意見もあった(らしい)。獣道の事前の動画内でもkazu選手がそのようなことを言っている。そしてテトリス界隈でもこの話題は荒れるために一種のタブーのような状態にもなっていた(らしい)。

それが、この獣道で対戦をする。あめみや選手としては負けられない。ここで負ければ「やっぱり勝負から逃げていた。もう神じゃない」という烙印を押される。kazu選手はそれに比べれば挑戦者のような立ち位置だが、もしここで負けてしまうとあめみや選手が完全に神格化されて二度とこのような場に出て来なくなるかもしれない。そういう意味では同じく負けられない。それがこの対戦における因縁でありお互いに賭けているものだった。

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当時自分も年末にリアルタイムで観戦した。7セット先取だったが、結果は7-2とkazu選手の圧勝だった。僕はどちらかというとあめみや選手を応援していた。テトリス界隈は知らないが、元から知っていた選手であり、格ゲーにおける梅原選手のように分かりやすい”神”といった存在がいるほうが面白いと感じたからだ。でも、素人目に見てもあめみや選手はキツそうで防戦一方に見えた。それほど差があった。

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そして、この対戦について実はここからが僕の語りたい部分であり滅茶苦茶感動した部分。まず、勝利後のお互いのインタビュー。あめみや選手は受け答えしたもののやはりかなり悔しそうだった。そしてkazu選手は泣きながらコメントをしていた。結構な圧勝をしたけれど、やはり彼もこの戦いには相当な思いがあり、憧れていたあめみや選手にこのような形で勝ったことに、色々と思い出したりもしたのかもしれない。そう思った。

配信としてはそこで終わって次のゲームが始まった。が、僕がこの獣道4で一番感動したのはさらにこの後。進行や実況を務めたアールさんの以下のツイートを見た時だった。

獣道4無事終了しました!
イベント後にすぐに対戦を始めた、テトリスの二人が印象的でした。
そして最後は龍豪で。
これで仕事納め。
今年一年、お疲れ様でした! pic.twitter.com/LutgwQAy8x

— アール/Aru (@papatiwawa) December 30, 2021

2人は対戦が終わった後に、会場が閉まるまで、小さなモニターで肩を並べて対戦をしていたらしい。この写真が泣けた。

僕は対戦が終わったあとの2人の関係性はギクシャクしてしまうんじゃないかと思った。kazu選手は過去憧れていた相手を倒してしまったし、あめみや選手は神の立場から引き摺り下ろされてしまった。なんならテトリスをやめてしまう可能性すらあるんじゃないかと思った。でも、この写真の2人はそういう僕なんかが考える糞みたいな人間関係の探り合いなんて無視して、単純に「目の前に強い相手がいるから目一杯対戦したい」というような気持ちなんだろうなと思った。二人とも純粋にゲームが好きなんだろうと思った。まだ10代と20代の2人のその純粋さが心に刺さった。

その後、あめみや選手の配信も見たが、肩の荷がおりたようにも感じた。テトリス神と呼ばれ、ある種それを演じ続けなければいけない呪縛のようなものもあったと思う。本当はkazu選手や強い選手と負けても良いからガチ対戦をしたかったかもしれないけれど、それでは自分のブランドが崩れてしまう。そういう中で、この獣道によって “吹っ切れた” ようにも感じた。これを機に、テトリス界隈は健全に活性化していってくれると良いなと、超にわかながらに思った。

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ちなみにその後も配信をみていたら、Top3のもう1人とkazu選手とあめみや選手で獣道の対戦動画をみながら感想戦をしていた。それも、おそらく獣道前のテトリス界では考えられない光景だったんじゃないかと思って、めちゃくちゃ良いなと思った。内容は全然わからなかったけど。


最後に、獣道の関連リンクです。

あめみや選手 事前インタビュー

http://www.kemonomichifgc.com/k4_puyotet_article01.html

kazu選手 事前インタビュー

http://www.kemonomichifgc.com/k4_puyotet_article02.html

初回PV

https://www.youtube.com/watch?v=7YS1mJvgCbo

対戦に対する界隈の証言PV

https://www.youtube.com/watch?v=Kv9oGRwitHI

実際の対戦

https://www.youtube.com/watch?v=YJ9f50hUNV8


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