自組織のOKRをガチで考えたけどわからなかったこと

2019/07/19


KPIとの違い

売上=来店者×購入率×購入単価というKPIツリーがあり、末端を四則演算で分解していたとする。このツリーのどこを上げようかと考えることと、このサービスにおけるOKRを考えることは何が違うのか。最上位のOを売上とするなら、そのKRは来店者、購入率、購入単価になるのではないか。そのOKRはKPIと何が違うのか?KPIは状態でOKRはプロセスだ、という話も見た。しかし、上のKPIツリーもそうだが、KPIの中身はプロセスになっていることも多い。その場合、違いはなんだ…?

OKRツリーは四則演算であるべきか

上の続きでもある。本の事例によっては、四則演算の考え方で分解しているものもあれば、MECEでは無いがOのために必要なTop3といった考えのKRを使っているものもある。四則演算の場合、上位のOのムーンショットを121%としたとき、紐付くKRが2つあれば、お互いが110%で、110*110=121のような計算をするのだろうか?紐付くKR全ての目標をこのように計算すると、組織ごとではなく、全体の目標を全て見通す人の存在が必要になる。また、上位のOKRに変更があった場合、紐付く全てが影響を受ける。そんなにガッチリしたものなのか?しかし、逆に四則演算にしない場合、下位のOKRが達成されても上位が未達成になりうる。

人数と組織数と最適なOKR数

約80人の組織ではいくつのOとKRを持つべきか。本の事例では最上段のOと紐付くKR3つ程度しか紹介されない。実際、組織の末端までどのくらいのKR数があるのだろうか。どれくらいの数が最適なのだろうか。自分は、今回多く持ちすぎたと思う。結果、手付かずのKRが生まれてしまった。

既存プロジェクトのOKR化

OKRを途中から取り入れた場合、既存の走っているプロジェクトが存在する。自分達もそうだったが、半年先くらいまでのタスクやスケジュールが決まっている人・チームがいる。この場合、OKRに沿って決めるのではなく、既存プロジェクト用のKRをつくりにいってしまう。これは正しい行為なのか?なんとなく、ダメな気がする。OKRを考えた時点で既存のプロジェクトであろうと、必要かどうかを再確認する必要があるのだろうか。そうは言っても、じゃあこれ止めましょうとはなかなかいかない。そこをやるべきなのか…?

目標と達成率の付け方の統一

目標に関して、ルーフショットとムーンショットをどこに置くか。本や記事によればKRごとにムーンをつくらないとかもアリらしい。達成率も、既存プロジェクトで「8末までに仕様書完成」というスケジュールが引いてある場合、それを予定通り行ったら達成率は100なのか70なのか。なんとなく、このあたりはあやふやで、組織によってルールを決めるということのように見える。

目標の置き方

本には昨対比●%とか何千万台売るとか書いてある。それはどのように決まったものなのか。どのような定量的な値を置くべきなのか。売上目標や競合より多くといった目標値があればまだ楽。無い場合、自分達で伸びしろを決めることになる。そこにどれだけ検証コストをかけるべきか。そうではなく、1.5倍にしようぜ!という気持ちの決め方で良いのだろうか。

KRの厳密性とその下のヒモ付き

KRは自分の手が届く範囲にしろと書いてあった。外部要因で増減する値はKRに置くな、と。例えば、サイトのCVRは訪問回数の影響を受ける。広告を多く出して訪問回数が増えればCVRは減る。逆もある。単純にCVRを150%改善というKRにすると、広告の影響を受けてしまうからNGなのか。じゃあ、厳密にサイト内改善によるCVR影響を出すために「iOSの新規訪問の検索エンジンの指名検索経由」とガチガチに固めたとする。これなら広告の影響はかなり薄まる。その点はクリアできる。

しかしここで問題発生。ガチガチに固めてセグメントを絞ったこのKRの下にOKRをつくるときどうすれば良いのか。ゆるゆるな「CVR」なら色々紐づけられたが、「iOSの新規訪問の検索エンジンの指名検索経由」の下には紐づけるものが限定される。Oを正確に測るためのKRにするほど、その下にOKRをぶら下げにくくなる。どうすれば良いんだ。

将来的なビジョンはどこ?

3ヶ月や6ヶ月でOKRをまわすとして、5年後10年後の状態を語る、掲げるのは誰がやるのか、どうOKRと結びつけるのか。OKRの事例は割と短期決戦に使われている。思っているイメージは、5年後10年後があった上での今年、そして向こう3ヶ月。そうでないと、長期的なプロジェクトがOKRから生まれにくい。となると、OKR単体では組織の目標設定は不足しているのか?

決めるのにすごく時間かかる

黄色い本はみんな集まって2時間の会議で決めようとか書いてあったけど絶対無理。四則演算やMECEを意識し始めるととても終わらない。1ヶ月はかかるとした場合、3月までに4,5,6月用の1QOKRつくって、5月になったらもう2Qのこと考え始めないと6月に2Q開始できない。そんなものなのか?OKRを決めることに工数を取られすぎている気がする。慣れないうちは6ヶ月毎にすべきか?

そんなこんなで2回目のOKRを考える時期。1度目では成功しないとあるので、そこは前向きに捉えているけど、あまりに明確なルールが無くて謎。本や記事の事例は最上段のOKRだけ語っているし、GoogleのOKRページのように概念だけを語っているものも多い。一見良さそうだが、いざ自組織に当てはめて細部まで考えようとすると情報が足りなさすぎる。ガチ詳細OKRの事例本が欲しい。


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