エロサイト見てるからエロ漫画の広告が出るという誤解

2018/10/25


ウェブ広告が場所だけでなく人をターゲティングするようになったため、同じサイトでも人によって出る広告が違う。というところまでは一般に認知されるようになった。

しかし、「出る広告はサイトの閲覧履歴によるもので、エロい広告が出るのはエロサイトばかり見てるからだ」という、中途半端な知識による誤解が広まっている。Twitterのコメントでもそうだし、はてブのスター付いてるコメントでもそう。なので、以前広告の仕事をしていた自分の知識を書いておく。

まず、広告のターゲティングには種類がある。サイトの閲覧履歴によるターゲティングももちろんあるが、属性情報による非リタゲ広告もある。後者は、例えば、エロい広告出そうと思ってる広告主がそれが刺さりそうな対象を考えて「男性・30代に出そう!」と設定すると、広告から男性・30代と思われている人全員がそのエロい広告が出る対象となる。これによってエロサイト見てないのにエロい広告がでることは十分にある。

「自分にはエロ広告全然出ない」という場合、これには無数の理由があり、全部を書ききることは不可能なので、わかりやすいものを少しだけ。まず一番分かりやすいのは女性の場合。エロ広告のターゲティング決めるときに対象外となる可能性が高い。「私は化粧品ばかり出ます」と言っている人はこの可能性がある。(女性だけど出るよ、という場合、広告のターゲティングがゆるゆるで男性に絞っていないとか、属性情報の何かがターゲティングに引っかかっているとか、理由はいくらでもあります。あくまで、女性は男性に比べて出にくい、という話)他にあるのは、閲覧履歴によるリターゲティングが優先されている場合。一般的に、リタゲの広告のほうが非リタゲより表示されやすいという広告の仕組みがある。「ECサイトの商品が出る」「旅行サイトが出る」という人はこの状況の可能性がある。(ちなみに、この状況の人は閲覧履歴と広告がすぐ一致するため、閲覧履歴によるリタゲこそ全てという誤解をしやすい)

別な観点では、アプリのWebviewなどでcookieの情報が無い・少ない場合は、閲覧履歴がないのでリタゲの対象にはなりづらく、また、属性情報自体も無く、年齢、性別、趣味など一切わからない。こういった、完全に真っ白な状態の場合、大量にばら撒く広告が出やすい。ばら撒き広告とは、誰にでも刺さる可能性があったり、商材としての単価が高かったりする傾向にあるもので、具体的には例えばエロ、ソシャゲ、ダイエット、保険、金貸し、転職、など。これによってエロ広告が出ることもある。

一応補足すると、広告のターゲティングは、閲覧履歴によるリタゲと、属性情報による非リタゲ以外にも、商材によって無数にある。人のターゲティングのことばかり書きてきたけど、サイトを指定するターゲティングだってもちろんある。自分は●●なのにこの広告が出たからこうだ!とか、自分には●●の広告が一切でないからこうだ!とか、自分だけの情報で仕組みを語るのはやめたほうが良い。ここで1つだけ言えるのは「エロいバナーが出るのは、100%エロサイト見たからだ」というのは間違いだということです。


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