TCGにおける世界観のためのフレーバーテキストと、事例としての「先遣隊長エリーズ」

2017/04/06


『誰かの描いた地図を辿るよりも、自分で道を切り開いて進む方が面白いーーレノがそう教えてくれたんです。』

一目見て、最高のフレーバーテキストだと思いました。

・過去のエリーズの能力・トレーラームービー・カードの名前・カードの能力・スタン落ちというゲーム環境の変化・過去の環境の思い出

これらすべてが、このフレーバーテキストに詰まっているからです。

「誰かの描いた地図を辿るより」

黄金のサルへの地図、をデッキに埋めるという、LOEのエリーズの能力を表しています。

「自分で道を切り開いて進む方が面白い」

ここには新しいエリーズの全てが詰まっています。

まずはカード名。"先遣隊長エリーズ"という名前から、エリーズはレノ探検隊の一員ではなく、隊を率いるところまで成長したことがうかがえます。実際に、彼女は大魔境ウンゴロのトレーラーでは語り手として小隊を率いていました。そして先遣隊とは、本隊の前に現地に入って調査をする部隊。まさしく道を切り開く役割をします。

パックを発見するというユニークなカードの能力もまた、その場で出会ったカードをうまく扱って戦うという点で、道を切り開く能力と言えます。

「レノがそう教えてくれたんです。」

極めつけはこの一文。レノ・ジャクソンを過去の人のように扱っているのは、もちろんスタンダード落ちのことを表しているのでしょう。ワイルドもあるとはいえ、やはりメインはスタンダード環境。大魔境ウンゴロのリリースと同時に、レノはその表舞台から去ります。

ハイランダーデッキという1つの型をつくり、環境最後のガジェッツァンでもレノロックやレノメイジは第一線のデッキとして人気がありました。良くも悪くもハースストーンプレイヤーの記憶に残っている彼のことを思い出させ、少ししんみりした気持ちにさせてくれる最高の締めです。


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