任天堂もプラチナゲームズも好きな僕のスターフォックスゼロへの正直な感想

2016/04/27


スターフォックスの面白さとは何か。僕は強制スクロール面だと思っています。

次々と出てくる敵を倒しながら進む疾走感。繰り返しプレイして気づく、マップに隠されたアイテムやルート分岐。敵の配置を覚えてきた頃にはアーケードゲームさながらのスコアアタックが待っている。初回は手こずるボス戦も、いずれはボスの台詞と同時に撃破できるようになる。 プレイすればするほど自分の腕の上達を実感し、同じステージだけど何度でもやりたくなる。それこそがスターフォックスの核ではないでしょうか。

一方でオールレンジモードやアドベンチャー要素は不要だと思っています。 アドベンチャー要素は満場一致で不要としますが、オールレンジモード好きですか?たまにあっても良いと言うけれど、僕はその分強制スクロール面が増えるなら無くて構いません。これは、あの64版についてもそう思います。

でも、アドベンチャー、アサルト、コマンド。そして今回の零をプレイして、つくる側の人たちはそう思っていないのだと感じました。 もしくは、そう思っているけれど、それだけではゲームが出せないのかもしれません。もしくは、強制スクロール面は僕が思う以上につくるのにコストがかかるのかもしれません。理由はわかりませんが、とにかくもうスターフォックスに強制スクロール3Dシューティングを期待することをやめました。

以下、ゼロを途中までプレイして思ったことを書いていきます。

ステージ1コーネリア。望んでいた強制スクロールでした。しばらく進むと早速オールレンジモード。アサルトのときもそうだったけれど、何故こんなにオールレンジを推すのでしょうか。今回のオールレンジはZ注目のようなものがある代わり(?)に、レーダーマップがありません。全体が見えないかわりにタイマンがやりやすくなったけれど、それが良くなったとも悪くなったとも思いませんでした。僕のオールレンジモードに対する思いはその程度です。

面を進んでウォーカーモード。今回の目玉の一つらしいけれど、まず操作に難が有ります。言ってみればTPSモードなのですが、飛行形態との操作の違いが混乱を生むのか、とにかく自機の操作がし辛く照準も合わせづらい。好意的なレビューでも「操作に慣れて自在に操れるようになれば楽しそう」とフォローをされています。(ところで、ローリングの誤作動はテストプレイで一度も起きなかったのでしょうか?)

ウォーカーモードの問題は操作だけではありません。初めてのウォーカーモードでは、敵の内部に侵入し、少数の敵を倒してフラグを立てながら一枚一枚開くドアを進むことの繰り返し。その戦いには創造性が無く、つまらないチュートリアルを延々こなすような作業でした。

いえ、つまらないチュートリアルは言い過ぎました。それはこのあとのジャイロウイングに使うべき言葉です。

ジャイロウイングは今回一番がっかりした要素です。小さなロボを紐から降ろす、ロボ用のパネルを探す。謎解きでもアクションでもない新しくもない、本当にただの作業がひたすら続きます。僕が買ったのはスターフォックスで、僕はスターフォックスがやりたいんです。

マジな話、このジャイロウイング面にストップをかける人は誰もいなかったのでしょうか。これがどこか知らない三流メーカーのゲームならわかりますが、スタフォ零をつくったのは任天堂とプラチナゲームズです。僕はスタフォ零の実況動画を撮りながらプレイしていたのですが、ジャイロウイング初操作のステージであまりにも愚痴が多くなり、録画と公開することをやめました。

ジャイロウイングの愚痴はこのへんで止めて最後の話をします。最後の話は、最後にして最も根本的な、Wii Uでのデュアルディスプレイは無理だという話です。

ここでのデュアルディスプレイとは、2つの画面に同等の情報があり、5:5に近い割合で交互に見ることとします。ようするに、テレビがメインでゲームパッドがサブではなく、テレビがメイン1でゲームパッドがメイン2な使い方ということです。

DSはデュアルディスプレイが可能です。それは2つの画面が物理的に近く、視野の中に両画面をいれることができるからです。あれは縦に長い画面があって、それが上下に分割されている状態です。

Wii Uのゲームパッドとテレビ画面は物理的に距離があるので、同時に視野にいれることができず、どうしても片方が疎かになります。今まで遊んだWii Uのタイトルでデュアルディスプレイに成功していると思ったものはありません。(サブディスプレイとしてなら沢山あります)

例えば、ゾンビUではゲームパッドをリュックに入ったアイテムメニューのサブディスプレイとして使っています。このゲームではアイテムメニューを開いてもゲーム自体にポーズがかかるわけではないので、ゲームパッド画面ののアイテム整理に夢中になっている間にテレビ画面でゾンビに襲われることがありました。これは、片方が疎かになることを理解した上で緊張感を生む演出にした良い例だと思います。

ここまで前置きがあった上で、スタフォ零です。このゲームではデュアルディスプレイとしてゲームパッドのフル活用してきます。機体の状況はテレビで確認し、照準はパッドで合わせるという、2つを同時に見ないといけない状況がデフォルトで、非常にやりづらいです。強制スクロール面ですらそれなのに、ウォーカーモードなんて前述の操作性もあいまって最悪でした。これは難易度が高い故のやりづらさでは無く、UI/UX的なやりづらさで、ストレスが溜まりました。 ※やはり良く分からないのは、テストプレイでどう結論付けられたのかということです。

僕は、スターフォックスをプラチナゲームズがつくると聞いた時、スターフォックスのエッセンスを抽出した新しいものができると思っていました。例えるなら、PS2のグラディウスVのようなものを期待していました。

しかし、出来上がったスタフォ零は、旧来のスターフォックスにWii Uの新機能を無理やり詰め込まされてしまったというのが正直な感想です。DSのタッチペン操作もそうだけど、何故たまに新機能を強要してくるのでしょうか。これはローンチタイトルではなく2016年のタイトルなのに。

※改めてスターフォックスというブランドを考えると、スーファミと64版があまりに出来すぎていたため神格化され過ぎているのかもしれません。


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