2014/02/14
ストリートファイターの新作として2008年にアーケードで稼働したスト4。バージョンアップを重ねながら人気は衰えず2014年4月にウルトラストリートファイター4がリリースされる。格ゲーブームを起こしたスト2ほど世間的には知られていないけれど、スト4シリーズは格ゲー界に本当に大きな影響を与えてくれたと思う。
※以下プレイヤー名出す場合は敬称略
9年ぶりのストリートファイターシリーズ新作ということで、スト2、zero、3rd、ヴァンパイア…といった過去のカプコン格ゲーシリーズの強豪がみんなプレイした。今作からPP、BPを表示するカード制が導入され、各キャラのトップランカーの名前をネット上で見る事ができたので、あのプレイヤーもスト4やってるのかと驚きワクワクした。
カード制により無名の強豪プレイヤーの強さも実証された。それまでは大会で結果を残すことでしか強さを証明できなかったので、「池袋にいる大会には一切出ないけど滅茶苦茶強いやつ」といった人は軽視されていた。カード制では、ゲーセンでプレイしているだけでポイントが溜まって強さが証明されていくので、噂の人が本当の実力者だということを証明した。少年漫画みたいな話だった。
その盛り上がりは他ゲープレイヤーをも巻き込んだ。バーチャ、鉄拳、KOF、ギルティといったゲームの強豪プレイヤーが参戦して次々と結果を残す。ギルティプレイヤーは「コンボは上手いけど刺し合いは下手」みたいな風潮がどこかにあったけれど、活躍を見てそんな風潮は吹っ飛んだ。なんせ、初めての全国大会の準優勝はRFサガットだった。
アーケード稼働からしばらくして家庭用が発売され、家庭用勢やパット勢といった人達の実力も明らかになった。「ゲーセンに来ないで家でやってるヤツが強いわけない」「複雑な入力を必要とする格ゲーをパットでできるわけがない」。僕もそう思っていたけれど現実は違い、いぶきやセスといった、複雑な操作が必要なキャラのトッププレイヤーが、実はパット勢だったのを知って本当に驚いた。
さらに、家庭用は世界中に強豪プレイヤーを生んだ。海外には日本のように気軽に対戦できるゲーセン環境が少なく経験を積む場所がなかったため、それまでの格ゲーはプロをのぞけば日本人の独壇場だったんだけど、スト4ではそれまでのゲームより格段に快適なネット対戦ができたので、家にいながらゲーセン並の対戦が可能になった。順番待ちや人待ちも無いネット対戦は経験を積む場としてはゲーセン以上になっていたかもしれない。将棋の羽生名人はITとネットの進化によって一定の強さになるまでのスピードが格段に上がったことを「知の高速道路」と表現していたけれど、格ゲーにも同じことが起こったんだと思う。例えば、2012年のEVOを制したInfiltrationはゲームショップの店員をしていた頃に出会ったスト4にハマり、ネット対戦で実力をつけプロプレイヤーにまでなった。
プロプレイヤー。そう、スト4の一番の功績といえば格ゲーのプロを生んだことにつきる。あのウメハラを筆頭に何人ものプレイヤーがプロになり、格ゲーをやることで生活をするようになった。ゲームなんてやったって何の役にも立たないはずだったのに、トッププレイヤーの格ゲーの才能や努力が報われるようになって本当に良かったと思う。
僕も1人のパンピープレイヤーとして参加するので、ウル4が出たあとも是非この勢いで盛り上がって行って欲しい。