2014/01/23
子どもの頃に遊んだじゃんけんぽいぽいのゲーム性って結構高い。じゃんけんぽいぽいっていうのは、相手と向かい合って「じゃんけんぽいぽいどっちだすの?」のかけ声と共に胸の前で両手を交差し、両方の手でグーチョキパーの2種をつくり、「こっちだすの」のかけ声と共に1つを選んで相手と戦うゲーム。このゲームは、手を出す前にお互いの2種が見えるところが駆け引きを生む。
といっても、当然ながら自分と相手が同じ場合、例えば「グー/パー」同士ならパーを出す以外考えられないのでお互いパーを出して仕切り直し。ここに駆け引きは無い。
面白いのは相手と手が違うとき。Aが「グー/パー」、Bが「グー/チョキ」の場合はAが有利な駆け引きになる。
この状況でAはグーを出したい。Bがチョキなら勝てるしグーでもアイコになって負けることは無い。いわゆる安定行動。
じゃあAがグーを出せば良いだけかというとそうではない。この状況、Bの立場で考えるとBもグーを出す確率が高い。Bは不利な状況をグー同士のアイコで流せれば仕切り直せて万々歳なので、Aが安定を求めてグーを出すのであればBもグーで流してしまえば良いという考えができる。
すると、このBの思考を元にAがパーを出すという裏の選択肢が生まれる。BがAのグーをグーのアイコで流そうとしているなら、そこをパーで狩ることができる。Bはチョキを持っているけれど、A有利のこの状況でチョキを出すことはまず無い。
そして、このAの思考を元にBに裏の裏のチョキという選択肢が生まれる。通常Aはグーを出せば負けないんだから7割方グーを出すはずで、その状況でチョキを選ぶのは自ら負けにいくようなもの。でも、Bのアイコ流しを読んで狩りにくるAのパーに対して”まず無いはず”のBのチョキで勝つことができる。本来絶対負けるはずの無いAが裏の裏読みされると負けてしまう。
しかし、読み合いはここで最初に戻り、そういうBの裏の裏のチョキはAの表のグーに負ける。
じゃんけんぽいぽいの駆け引きはこんな感じで「相手の手が見えた時点で有利不利が決まり、有利側の安定行動を基準に互いの読み合いが重なっていき、読み次第で展開が変わっていく」というところにある。
で、ポケモンの対戦の駆け引きの面白さって根本的にはこんな感じ。もちろん、選択肢の数や判断の材料が多いのでこんなに単純ではないんだけど。