悪い課金と良い課金と僕らにできること。

2013/11/19


パワプロ、ブレイブリーデフォルト、ジョジョASB。最近、家庭用ゲームの新作が立て続けに課金の方法を叩かれました。何故ゲーマーと呼ばれる人たちは課金を嫌うのでしょうか。

そもそも、ゲーマーは最適解を求めます。格闘ゲームなら勝利、レースゲームなら速さ、シューティングゲームなら高いスコアと、良い結果を出す最適な方法を考えます。その最適解への試行錯誤がゲームの面白さの根本であるからです。

先日叩かれたパワプロの課金は、ゲーム内の効率や優劣に影響を与える課金方法でした。具体的には、野球選手を育てるサクセスモードのイベントの一つに、成功すれば能力が大幅にあがり失敗すれば大幅に下がる"賭けイベント"があり、課金することでその賭けに失敗してもやり直すことができるようになるというものです。

それまでは賭けイベントに対する最適解は無く、行うかどうかはプレイヤーの度胸次第。失敗して後悔することもあれば、成功して大喜びすることもありました。しかし、課金によってやり直しが可能になると、賭けイベントに対して「とりあえず賭けイベントを行って、失敗したら課金してやり直す」という最適解が生まれます。

ゲーム内の効率や優劣に影響を与える課金はこのように必ず最適解になります。最適解で無いものに課金はしないから必然的にそうなります。それは、今回の例のように選択肢を狭め、試行錯誤の余地を減らします。それがゲーマーには受け入れがたいのです。

その方法があるなら課金も1つの手段、という考え方もありますが、それもやはり受け入れがたいものです。金の積み合いはゲームではないという思いがそこにあります。金を積めば点が入るサッカー、金を積めば飛車角が2枚になる将棋、そんなものは面白くありません。たかがテレビゲームであろうと、その決められた世界の中だけで能力を競い合うことが楽しいんです。

課金が嫌なら使わなければ良い、という意見は最もですが人の心情的に受け入れがたいのも事実です。前述したように、最適解の存在はその他の行動を無意味なものにします。賭けイベントに失敗して1からキャラをつくる時間より、その時間でバイトをして溜めた金で課金したほうがよっぽど効率が良いからです。

また、課金は自己顕示欲を刺激するために他人と競争するゲームに取り入れられます。自分が課金をしなくても競争相手あ課金をしていては、金を積んで点の入るサッカーに参加しているのと同じです。

ではゲーマーが受け入れる課金とは何なのでしょうか。それはこれまで書いたものの逆、ゲーム内の効率や優劣に影響しないもの。例えばキャラクターのコスチューム、アバターのパーツといったものです。もう一つは、追加コンテンツ。新しいステージやキャラクターといった、全体の遊びのフィールドを広げるものです。

メーカーにはそういったものを提供して欲しいですね。と終わりたいところですがそうはいきません。そんなものは金にならないからです。これに関しては島国大和さんの記事「アイテム課金に関して」にこれでもかというくらい書かれています。

コンシューマの衰退に関しては色々な原因があると思います。少子化、不景気、ヒット作不足、飽き、開発費高騰、シリーズものばかり買う消費者、中古問題、ソシャゲの台頭、海外メーカーの躍進…。あげ始めるときりがありません。

今回書いたように、1人のユーザーとしては金の積み合いになる課金方法は嫌いです。そんな課金ゲームだらけになって欲しくありません。しかし、そうせざるを得ない現実もまた理解しているし、空気を感じています。(別に業界の人でも何でもありませんが)

そういう状況で僕らゲーマーは何をすれば良いのかというと、ゲームを買うことです。嫌な課金にNoを言うのは良いと思いますが、Amazonのレビューを荒らしたり、まとめサイトに乗っかってメーカーを叩いるだけでは意味がありません。

これは自戒も込めた質問です。今年何本のゲームを新品で買いましたか?ナンバリングではない意欲的な新作を何本買いましたか?嫌いな課金ゲーをやっている課金ユーザに張り合うくらいゲームを買わないと、僕らの好きなゲームはもう無くなってしまいます。


Topページへ戻る